U2
Live!
2006年11月の末,4月に流れたU2の再講演が決定!98年の来日を逃して悔しい思いをした自分にとって,これが記念すべき初ライブとなる。
振り返ってみれば高1の時(1984年)にUnfogettable
Fireを聴き始めてから,20年以上が経過した。自分のロック人生の傍らには常にU2のアルバムがあった。80年代世代の自分にとって,U2の存在は何者にも左右されない不動点のようなもの。はなっから別格なのだ。そんなU2を,まさか直に見れる日が来るとは。延期決定ではやきもきさせられたが,無事にチケットも取れた!!しかし,困ったことに,公演日が近づいても,なかなか「実感」がわかない。U2を生で見れるなんて,そんな夢のような話しがあるわけが無いのだ,とカラダが勝手に思いこんでしまっている。
そうこうするうちに,公演日が近づいて来た。日々はかなり忙しかったが,計画的に仕事をこなし,年休も取得して,妻に予約してもらった新幹線で東京へ。名古屋駅で弁当を買って,ちょっとした旅行気分だったが,連日の疲れがたたってか,なんと,静岡あたりで酔ってしまう。吐き気と頭痛がひどい上に,悪寒までする。いつもの事ながら,何もこういう時にまで,,,と自分にあきれてしまった。東京駅について,這うようにして電車を乗り換える。しかも,上野から「さいたま新都心」へは,在来線でわずか30分程度なのに,グリーン車へと移動することになる始末。さいたま市のホテルで休息し,なんとか開演30分前に根性で復活!いざ,「さいたまスーパーアリーナ」へ。音楽が始まれば,脳からドーパミンが出るだろうから大丈夫だと自分に言い聞かせて,落ち葉が舞う寒風の中を妻と歩く。
アリーナの中は闘技場のような雰囲気。
座席は,上手の階段席の最前列。ステージを見るには左に身を乗り出さなければならないが,ステージへの距離は近い。飛び跳ねると下に落ちそうで怖い。ステージには,観客席への張り出しが左右にある。その先端まで来てくれれば,表情まで見えるはずだ。ドーム講演とは違い,これは良いポジションだ。音も悪くないだろう。いかん,また緊張してきた。しかも,まだ吐き気がひどいのが,ちょっと気がかりだ。
開演時間は7:30分。仕事組に配慮してか,やや遅めのスタート。直前まで入場者がいる。みなそれぞれに仕事をこなしてやってきたのだろう。年齢層は平均35才というところ。徐々に緊張が高まる。何度かオオーっと声があがるが,また静かになる。これが3回ほど続く。
Pop
mart
のビデオのように,UFOにでも乗って登場するのかねえ,などど妻と軽口をたたくうちに,突然,ものすごい声援で幕が開ける。ステージにライトが当たると,上手がエッジで,下手がクレイトン。ボノが居ない,,と思ったら,下手の張り出して,日本の国旗を振って,鉢巻きを締めている。思わず,言葉にならない叫び声を上げる。しかも,下のスタンディングの人たちが,一気に前に詰め寄って,波のように動いていった。ある種,アリーナ全体が,軽いパニック状態である。格が違う。
1曲目は city
of blind
lights 疾走感あふれるこの曲から始まった。うおー。しかし,こまった事に,何か映画を見ているようで,しばらく実感がわかないのだ。しかし,自分の顔がうれしさでニヤついていることが分かる。ワンコーラスが終わると,少しずつ感動もこみ上げてきた。大丈夫,吐き気ももう感じない。
曲目
City of Blinding
Lights
Vertigo
Elevation
Until The End of the World
New Year's
Day
Beautiful Day
Angel of Harlem
The First
Time
Sometimes You Can't Make It On Your Own
One Tree Hill
Sunday
Bloody Sunday
Bullet The Blue Sky
Miss Sarajevo
Pride (in the Name of
Love)
Where the Streets have no Name
One
The
Fly
Mysterious Ways
With or Without You
Window in the
Skies
Desire
All I Want is You
Sometimes
では,ボノのボーカルにやたらと気合いが入っており,驚かされた。U2のように大物になると,一つ一つの講演でそんなに力は入れないものという暗黙の常識があるからだ。しかも,合計3日の講演で,そんなに力をこめてうたうと,ノドに悪いのでは,とこっちが心配してしまった。事実,最初のほうでは,声がしゃがれていたが,2,3曲で完全に復活するのは,気合いのなせる技か。
何より嬉しかったのは,New
Years Day,Sunday Blooday
Sunday,Prideなど古めの曲もやってくれたこと。自分でもビックリしたが,歌詞を全部覚えていた。Where the Streets have no
Name では,アリーナ全体に地鳴りがした。笑顔の上に,涙が出てきて止まらなかった。あ〜生きてて良かった。観客の熱気で,ステージ前に霧が出来たのを初めて見た。
終わった。アンコールを二回もしてくれた。これはスゴイことだ。 余韻に浸りたく,しばらく帰る気がしない。