最近見た映画(2008年〜)


エディット・ピアフ ☆☆

 愛の賛歌のピアフの障害を描いたもの。愛の賛歌が映画の中で出てこなかったのが心残りである。壮絶な映画であった。


ミュンヘン  ☆☆☆☆☆

 スピルバーグのユダヤものはすごい。スパイものでも,ミッション・インポシブルなどとは違い,いたって硬派。イスラエルびいきの映画かと思いきや,さすがであった。任務を終えて疲れて家に帰ってきて,ベッドの下に爆弾が仕掛けられていないかを毎日チェックしないと,気を抜いたら「ドカン!」ってな,スパイって心理的な面でホント大変なんだなあ,とつくづく思わせる映画。


マリー・アントワネット ☆☆☆☆

 ソフィア・コッポラの第二弾?。歴史モノである。マリー・アントワネットが,やたらとフレンドリーな性格に描かれており,背景を流れるパンク音楽と妙にマッチした不思議な映像感覚。かすれたパステル絵画とでも言うべきか,銀色がかった画面というべきか。サントラ購入。


サン・ジャックへの道  ☆☆☆☆☆

 母の遺言で3人兄弟が聖地巡礼を無理矢理させられるという?なストーリー。「人生に必要なものはそれほど多くはない」。とっても良い映画だ。是非,おすすめ。


プロヴァンスの贈りもの ☆☆☆

 ロンドンの好景気を背景に,南仏プロヴァンスでのワイン・シャトーを所有する伯父が無くなって,バリバリの金融マンの主人公のラッセル・クロウが当地を訪れる。バブル崩壊直前のイギリス人の心象風景とでも言うべきか。


ダージリン急行 ☆☆☆

 仲の悪い兄弟が,何故かインドを鉄道旅行するハメに。設定は,「サン・ジャックへの道」みたい。


1735KM ベトナム映画 ☆☆☆☆☆

 ハノイからホーチミンへ鉄道への旅を舞台にしたロードムービー。昔の日本のような風景に,最近のアジア映画の新鮮さをふんだんに取り入れたような映像に,ついつい夢中で見てしまった。ウオン・カーウエイの「恋する惑星」にも匹敵する良い映画。アジアってなんか良いなあ,的なイチオシ映画。


ブレッド&ローズ ☆☆☆☆☆

 ケンローチ,2000年。アメリカへのメキシコ不法入国者の話。ネットバブルの時代のアメリカの底辺層の生活実態をケンローチならではの視点でえぐり出している。素材はアメリカ,LAだが,きちんとケンローチ映画になっている。ラストシーンは,なるほど人間の心の尊厳とはそういうことか,と思わせる。エイドリアン・ブロディ主演。


ボン・ボン ☆☆

 アルゼンチン映画。犬のボンボンというのが,なんとも。アルゼンチンの貧しい町並みが,何故かかっこ良い。なんかいかにも洋画という感じ。


イントゥ・ザ・ワイルド ☆☆☆

 ショーン・ペン(「俺たちは天使じゃない」のデニーロの相棒)というから何処に出ているのかと思ったら,監督らしい。主演は,エミール・ハーシュという若手の実力者。ディカプリオの再来のような感じ。旅の途中で出会う人たちが,皆,寂しそうで良い味を出している。壮絶な映画だった。


西の魔女が死んだ ☆☆☆☆

 イギリスのばあちゃんが美しいイングリッシュガーデンとともに出てくるので,イギリスが舞台かと思い来や,日本の長野。日本でも美しいガーデンは可能なようだ。自分的には,フランス映画は小さい女の子が可愛く描かれ,イタリア映画は小さい男の子(ニューシネマパラダイスのトト)が,イギリス映画は,「ばあちゃん」に愛嬌があると思っており,そういう映画であった。魔女=信念の人というぐらいか。日本人の孫娘が,学校でのいじめをばあちゃんに相談するくだりが印象的で,凛とした生き様に,清々しさとともに,寂しさもある,そういった映画だった。


モーターサイクル・ダイアリーズ ☆☆☆☆

 チェゲバラの若い頃の話。ロバート・レッドフォード制作総指揮。ゲバラ役は,ガエル・ガルシア・ベルナル。どっかで見た俳優と思いきや,バベルのサンティアゴ(メキシコ国境を突破する若い青年の役)のようだ。ゲバラと言えば,キューバ革命の英雄で,ヒゲ面の強面と思ってたら,元々は理想に燃える医学生で,非常に好感のもてる青年だったとは。南米の描写は,またもや,なかなか味わい深い。


ジャージの二人 ☆☆

 鮎川誠と堺雅人のそこそこ話題になった映画。「西の魔女が,」に似た風景が出てくるが,あれは長野か群馬かの避暑地の定番風景なのだろうか。なんともまったりした雰囲気が面白かったが,水野美紀演じる離婚寸前の妻は,なんか怖いほどリアルで,おそらくストーリー中で出てくる唯一の厳しい現実の象徴。鮎川誠の筑後なまりが,いちおう東北人(北関東?)ということになっていて,笑えた。


猟奇的な彼女 ☆☆☆☆

 ホラーものかと思いきや,典型的な韓流映画であった。なにかにつけて彼女から攻撃され,殴られる男優が良い味を出していた。韓国人の酒ののみっぷりが面白い。良い意味で80年代の日本を思い起こさせる,良いアジア映画であった。


チェ・ゲバラ&カストロ ☆☆☆☆

モーターサイクルの続編と言える映画。キューバ革命がリアルに描写されていた。ゲバラは晩年は意外と過激な革命家であったようだ。革命家って,こんな感じか,,,というリアルな雰囲気がいっぱいの映画。

夜行列車 ☆☆☆☆

 ポーランド1963年。なんとも過激で西側な雰囲気のある映画。ポーランド映画にしては自由な表現だ,と思いきや,スターリン死後のポーランド映画の雪解けの代表作の一つらしい。ジャズも映画にマッチしていて,A・トシャコフスキーという人らしい。

デトロイト・メタル・シティ ☆☆☆☆☆

 2008年。とにかくたくさん笑えた。松山ケンイチという役者をはじめて知る。元祖シブヤ系のオザケンとかが,けっこうユーモラスに痛い感じで描かれていて,なんとも気恥ずかしいような,おかしいような。でも往年のメタルファンの自分には,キッスのジーン・シモンズも特別参加しており大満足。松雪泰子の役柄が最高。メタルっていいかも。

戦艦バウンティ号の叛乱 ☆☆☆

1935年,アメリカ,1780年代にイギリス海軍で実際にあった反乱の話を映画化したもの。クラーク・ゲーブル出演。BSで偶然見た映画だが,なかなかおもしろかった。イギリスってすごい,という感じの話。


Red Cliff ☆☆☆☆☆

2009年,中国。いわずとしれた三国志の映画化。ジョンウー監督。もうちょい劉備の周辺をかっこよく描いて欲しかったが,大満足の映画であった。

ワルキューレ ☆☆☆☆

2008年,アメリカ。ヒットラー暗殺計画を描いたもの。トムクルーズ主演。ハラハラドキドキな展開で,最後はやっぱりこうなるのか,という異色の戦争映画。


善き人のためのソナタ ☆☆☆☆

2007年,ドイツ。旧東ドイツの秘密警察シュタージを描いたシリアス映画。ヴィースラーという堅物の役人の目を通して,東ドイツの1980年代の密告社会を描いている。抑制のきいた表現の中に,人間味のあふれる情感がただよう映画だった。


恋に落ちたシェークスピア ☆☆☆☆

1998年,アメリカ。グイネス・パルトロウ主演。講義のネタの一つとして観たら,見入ってしまった。17世紀の演劇の舞台装置は,円形であり,観客との境界が不明瞭な世界であるなど,時代考証としても十分に楽しめたが,やはり脚本がピカ一であった。良い映画委である。いつの時代も,ヒューマニズムは,世間と闘っているのか,と思わされた。


マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙 ☆☆☆☆

 2011年。ずっと見たかった映画。授業準備で見て、授業でも見た。晩年の認知症が痛々しい。リーダーの孤独感。


ヴィクトリア女王 世紀の愛 ☆☆☆

 2007年。アルバート公がベルギー王レオポルド一世の甥であったことを初めて知った。ホイッグのメルバーン子爵首相が、最初は、側近として重用されていたなど、イギリス史の勉強になった。


天国からのエール ☆☆☆☆

 2011年。阿部寛主演、沖縄の高校生バンドを援助した、お弁当屋さんの主人の話。実話だそうだ。なんか泣けた。


武士の家計簿 ☆☆☆☆

 堺雅人が良い味を出していた。そろばん侍である。